「ジョジョ・ラビット」 ファッションと信念
「ジョジョ・ラビット」(2019)
監督:タイカ・ワイティティ
東京には花粉が飛び始めましたが、明けましておめでとうございます。
たぶんこれが今年最後の「明けましておめでとうございます」ですが、次の「明けましておめでとうございます」もあっというまなんだろうなと思います。
桜が咲くたび、「人生であと何回これを見れるのだろう」と考えるのですが、「明けましておめでとうございます」と言うのも、人生であと何百回くらいか、と思うとちょっと寂しくなります。
2020年の一記事目はスカーレット・ヨハンソンに捧げたいと思います。
「マリッジ・ストーリー」「ジョジョ・ラビット」どちらも最高の演技でした。
アカデミー賞はアンラッキーでしたが、僕にとっては間違いなく、2019年の作品で一番印象に残った女優です。
しばらくは、靴紐を結びなおすたびに彼女のことを思い出すことになりそうです。
「アイネクライネナハトムジーク」 ぼんやりを解体する
「アイネクライネナハトムジーク」(2019)
監督:今泉力哉
「愛がなんだ」は、超高性能な顕微鏡でテルコという異分子を発見し、彼女の一挙手一投足をつぶさに観察するような作品だったと思う。
その解像度に目が慣れていると、「アイネクライネナハトムジーク」に登場する人々は、ぼんやりと映るかもしれない。
しかしそのぼんやり感は、ある意味で伏線あり、作品が終わるころにはその感覚が愛しいとすら感じられます。
「博士と彼女のセオリー」 ブラックホールの中心
「博士と彼女のセオリー」(2014)
監督:ジェームズ・マーシュ
ALSに侵されながらも物理学のフロンティアを切り開いたスティーヴン・ホーキング博士(エディ・レッドメイン)と、彼を支えたジェーン(フェリシティ・ジョーンズ)という女性の物語です。
『博士と彼女のセオリー』という邦題が、これ以上なくすばらしいと思う。